提供された ある文書(1)

平成25年7月3日

保護者各位

 

阿久根市教育委員会 教育長 原田正美

阿久根市学校給食センター 所長 野崎清二

伊田食品株式会社 代表取締役 伊田尚充

(公印省略)

 

学校給食への異物混入について

保護者の皆様には日頃より学校給食センターの運営につきましてご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。

 さて,表題の件につきましては,7月3日付南日本新聞に掲載されましたとおり6月28日の学校給食の「チンジャオロースー」の中に直径約3ミリ長さ約5ミリの円筒形の黒色に近い金属片が混入しておりました。

 このことにつきましては,保護者,児童生徒に多大なご心配をお掛け致しましたことを心からお詫び申し上げます。

 幸いこの金属片につきましては,配膳前に発見されたため生徒には影響ありませんでしたが,万が一のことを考えます時に安全安心な給食の提供を目標としております学校給食におきましては決して看過できないことであると受け止めております。

 学校給食センターでは,阿久根中学校からの連絡を受け直ちに委託業者である伊田食品株式会社の責任者に対し,原因の究明と再発防止につきまして,報告していただくよう要望いたしました。

 その結果,金属片につきましては,リベット(複数枚の板状のものを束ねて締結する鋲の一種)ではないかと思われるが,学校給食センターで使用しているものとは形状が違い,学校給食センターの施設や器具類などにも破損等が無い旨の報告を受けました。

 しかし,「給食」の安全は100%をもって当然のことでありますので,今後更に原因の究明,学校給食センターでの管理体制等につきまして見直すだけでなく,各小・中学校においても「給食指導」の充実が図られるよう関係者が一体となって,「給食」の安心安全に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 何卒,ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

 


という,教育長,給食センター所長,現場の調理の委託を受けている会社の責任者の三者が連名出した「どこの保護者各位に宛てた文書だか分らない」文書です。

あと1枚は,同日付で「阿久根中学校長」から「保護者各位」宛ての下記文書です。

阿久根市の児童生徒の保護者の方から私たちに提供されました。

2枚目の文書は,特定の中学校長から保護者宛ですから,当然管下の生徒の保護者宛てだと読むのが当然だと言えます。

 


さて,その2枚目の文書とは。

 


平成25年7月3日

保護者各位

阿久根市立阿久根中学校 校長 上池浩策

 

学校給食への異物混入について(お詫び)

 日頃から,本校の教育活動への御理解,御協力をいただき感謝申し上げます。

 この度7月3日付け南日本新聞に掲載されましたとおり,6月28日の給食で副食に「異物(直径2~3ミリ,長さ5ミリ程度の金属製のもの)」が混入しておりました。

 保護者・生徒の皆様に,御心配・御迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。

 幸いにして配膳時に生徒が気付いたため,生徒への影響はありませんでしたが,すぐに給食センターに報告し,現物を渡し調査を依頼しました。

 7月1日にその結果をいただき,金属板をつなぐリベットのようなもので,調理器具・施設等調べたが見つけられなかったとのことでした。今後,食材の加工段階での混入はなかったか調査するとともに,再度給食センターの施設設備も調査するとのことでした。

 異物混入については,給食を作る側と給食をとる側の管理責任の徹底という双方の課題を解決していく必要があります。

 そのために,学校においては給食当番の服装・安全な運搬・配膳・当番以外の生徒のマナーなど指導の徹底を図り,異物混入対策を含め安心・安全な給食の実施に努めてまいります。

 保護者や生徒の皆様の今後一層の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 


となっています。


こちらの文書は,冒頭の見出しで「お詫び」と明記されており,「謝罪の意」が表されているのかと期待して読んでみると,こちらも「調理器具・施設等調べたが見つけられなかったとのことでした」と,全く原因解明が行われていない文書となっており,びっくりした次第であります。文書の締めくくりには「学校においては給食当番の服装・安全な運搬・配膳・当番以外の生徒のマナーなど指導の徹底を図り,異物混入対策を含め安心・安全な給食の実施に努めてまいります。」と,今回の「金属片(リベット)混入が,学校の現場で給食を盛り付ける際に起こった事件」であるかのように読めてしまいました。

こちらの文書も,私にしてみたら,「はぐらかせ文書」と言わざるを得ません。新聞記事になってしまったので,言い訳に文書を出さなければならなくなって,無理して書いたと思えてなりません。

 

私が最も重視したいのは、文中の「すぐに給食センターに報告し,現物を渡し調査を依頼しました」とのくだりです。

全く「直ぐに報告」などではありません。生徒には、この金属片を取り除いた給食を食べさせてしまい,汚れた食器や残食を回収に行く給食センターのトラック便に、報告書と一緒に「金属片を添えて」乗せてよこしたのです。中学校の昼食は,12:30~45だと思いますが,阿久根市学校給食センターに報告が上がってきたのは,14:25です。 この2時間程の時間差が問題なのです。怖いのです。

 


この金属片が本当に「リベット」だとしたら「リベットの頭の方」である「皿状の帽子部分」が見つかっていないのです。
校長の立場としたら,「こんな危険のものが入っていた」との報告を受けたら「即,給食の中止と原因解明」に機転をきかすのが,立場ではないでしょうか。

何のために学校の現場で,学校長が「検食」(ここではあえて 毒身 といっておきましょう)をしているのではないでしょうか。生徒より先にお昼をいただいていると考えないでいただきたいですね。

阿久根中学校の給食時間(まだ盛り付けている時間)に、給食センターから配送された給食の中に「金属片混入」が発覚したのですから,阿久根市内「全小中学校の児童生徒の昼食をストップさせる行動」を何故とらなかったのか,不思議でなりません。「無責任だ」。「「危険なものが混入されていた給食でも黙って喰わせてしまった」のです。

 


上記、阿久根中学校長の文書では,「自分の学校で給食を盛り付ける際に発生した事故(と私は読んでしまいます)である」と認識され,その後の教育長や学校給食センター所長,委託会社等との調査でそのような結果が出ているのだとしたら,その判断でもよいのではないかとも思いますが、私はこの金属片を,拡大鏡を使って,ほんの数秒見てしました。直ぐに「リベット」だとは判断が付きませんでしたが,委託会社職員の「コンテナのリベットだ」とのアドバイスを聞いて,「リベットの軸に間違いない」と確信しました。


部品の名称が分らないのであえて「リベットの頭の方」とか「皿状の帽子部分」とかと表現しましたが,こちらと切れて離れた「金属疲労現象」は拡大鏡で見事に見えました。
そうであるから,私は「リベットの頭の方」,「皿状の帽子部分」が見付かっていないことを重視しているのです。

 


いずれにしても,上記2つの文書では「十分な説明が尽くされていない」と感じましたので,後報を期待いたします。皆様も、監視してゆきましょう・・・